教育理念・方針

教育理念

『栄光学園の教育は、キリスト教的価値観、また、イエズス会の創立者イグナチオの精神を基盤とし、
生徒一人ひとりが神から与えられた能力を十全にのばし助けることを基本理念とする。』

栄光の目指す理想の人間

MEN FOR OTHERS, WITH OTHERS

他者のために
他者とともに

周縁で苦しむ状況におかれた他者に目を向け
協調・協力し合い
問題解決のために
喜んで自分を差し出すことのできる人間になるように

あなたたちの間で力ある者になりたいなら、みなに仕える人になり、
あなたたちの間で先頭に立ちたいなら、みなのしもべになりなさい。
仕えてもらうためではなく、仕えるため。
マタイ福音書20・26~28

AGERE CONTRA

逃げたい気持ちとたたかい、
なすべきことに専念する

せまい考えにとらわれずに
己の弱さにうちかって
他者に対する理解と思いやりを育みながら
自らの感性を磨くように

よくやった。忠実なよいしもべだ。
おまえは小さなことに忠実であったから、
多くのものを任せよう。主の喜びを共にしてくれ。
マタイ福音書25・21

MAGIS

自分の能力を
可能な限り成長させる

自分のプライドや出世のためでなく
よりよい世界の実現のために
自分に与えられた力を
より一層伸ばすことができるように

イエスは言った。
「わたしの父は、今も働いておられる。
だから、わたしも働くのだ。」
ヨハネ福音書5・17

AGE QUOD AGIS

やるべきことを、
やるべきときに、やる

自分に託されたことを発見し
ためらうことなく実行に移して
自らの言動に
責任をもつことができるように

あなたたちも、与えられたつとめをすべて果たしたとき、
「自分はとるにたらないしもべだ。
なすべきことをなしただけだ」と言いなさい。
ルカ福音書17・10

NOBLESSE OBLIGE

いまここで私に与えられた
能力や立場を最大限にいかす

私だからできること
私にしかできないこと
いま私が
そのことを実行する義務を果たせるように

多く与えられた人は、
多く求められ、
多くまかされた人は、
より多く要求される。
ルカ福音書12・48

AD MAIOREM DEI GLORIAM

より大いなる神の
栄光のために

自分の力だけで生きているのではなく
自分を超える存在に生かされていることに気づき
自分を生かしてくれる神の思いを
実現できる人になるように

わたしは、
行うようにとあなたが与えてくださった業を成し遂げて、
地上であなたの栄光を現しました。
ヨハネ福音書17・4

栄光学園における6つのキーワード

  • MEN FOR OTHERS, WITH OTHERS
    他者のために、他者とともに生きる
  • AGERE CONTRA
    逃げたい気持ちとたたかい、なすべきことに専念する
  • MAGIS
    自分の能力を可能な限り成長させる
  • AGE QUOD AGIS
    やるべきことを、やるべきときに、やる
  • NOBLESSE OBLIGE
    いまここで私に与えられた能力や立場を最大限にいかす
  • AD MAIOREM DEI GLORIAM
    より大いなる神の栄光のために

栄光学園の教育の特徴

1.本来の教育権をもつ家庭との連携

子どもの教育権は、第一に保護者の方にあることは言うまでもありません。学校教育にとって、保護者の方のご理解とご協力は不可欠です。また中学生・高校生という年代において、家庭のもつ役割は極めて大きいものがあります。
そのためにも家庭との密な連携が必要と考えます。保護者の方に学校で行なっていること・教育理念および方針を理解してもらう必要があります。
栄光学園では保護者と担任の個人面談のほか、学年別に年2回開かれる『父母会』に加えて、『地区別懇談会』(通学区域を20地区に分け、各地区で実施)を開いて、保護者と教員とが連携をはかっていくことができるようにしています。

2.集団の中にある一人ひとりの生徒への配慮

学校の基本的視点が集団教育を前提にしていても、その集団を構成している生徒は、一人ひとりがかけがえのない存在です。栄光学園は、単なる知識の伝達ではなく、様々な場面で生徒と教師、生徒相互の人間的な関わりを通して、自分が大切にされていると感じる経験、受け入れられると感じる経験をもてるよう配慮しています。そうした経験を土台にして、生徒は人間として成長発達していけるのです。集団教育ではありますが、すべての生徒が学園の中で自分の場所を見いだし、かつ縦横の人間のつながりがしっかりと続いていくよう、学校としての規模を1学年180人に限定しています。

3.各自の成長段階に応じた各種経験の機会

6年一貫校の本学園は、6年間を生徒の成長段階に即して、初級段階(中学1年・中学2年)、中級段階(中学3年・高校1年)、上級段階(高校2年・高校3年)の3段階に分け、指導計画等にその考え方を具体化して実践しています。

初級段階 通常の学校生活や学校行事への参加等を通して、基本的な学習習慣と生活習慣を体得します。
中級段階 必要な基本事項についての理解を深め、自ら進んで多くのことを学びます。奉仕活動等な具体的な場を設定・用意し、体験を通して自発的・意欲的に学ぶように導かれます。
上級段階 部活動・学校行事等での指導的立場としての体験と、今までに学び体験したことを意識的に統合して、自分の可能性を高め、自らの適性を考えながら将来に備えます。

4.国際社会の一員としての自覚

ヒト・モノ・情報などが世界全体を活発に往来するこれからの国際社会において、キリスト教ヒューマニズムに基づきグローバルな視点で物事を考えて行動できることは、栄光学園をはじめとする各国のイエズス会教育を受けた生徒に求められる共通の資質です。すなわちその資質とは国際社会のなかにあって、社会的弱者を排斥して自国・自民族の利益のみを守る壁を築く人ではなく、むしろ世界各地の国家や民族の架け橋となり、人々の幸福に寄与できる人となることです。
栄光学園はこの目的を達成するために、イエズス会教育機関の世界的なネットワークを活用して、フィリピンのイエズス会学校(Sacred Heart School-Ateneo de Cebu)との生徒の派遣・受入を、またアメリカ合衆国のイエズス会大学(Boston College)への生徒派遣を行っています。

5.倫理教育・宗教教育

本学園で最も重視する全人教育は、基本的にはすべての学習指導・生活指導のうちで実践されます。これにしっかりした原理を与えるために、学園独自の教育課程である『倫理』の授業を開校以来設けています。
生徒たちは今もそして将来も、自分は何をするべきであるのか,あるいはすべきではないのかという選択や判断をしなければならないことが、必ずあります。知識をたくさん持っていることはとても大切なことですが、同時に、そうした選択や判断に際して、しっかりと考えて判断し実行できることも大切なことです。栄光学園は『倫理』という科目の学習を通じて,生徒たちがそうした力を身につけていくことを目的としています。
また、栄光学園はカトリック校であり、宗教は人間存在の根底を支える重要なものと考えていますが、一方で正課として宗教の授業を設けたり、礼拝を強要したりすることはありません。信仰とは、人間にとって最も大切なものであるがゆえに、自由のうえに成り立ち、人の心の最も奥深いところに生まれ育つべきものと考えるからです。
自発的に研究を希望する生徒のためには、学園聖堂で行われるミサなどの典礼への参加に加え、課外活動として各学年ごとに聖書研究の機会が設けられ、学園の精神的柱であるキリストの教えに、より深く触れ、人生の糧を得ています。

学校いじめ防止基本方針