校長あいさつ

栄光学園 学校長 柳下 修

「やるべき時に、やるべきことを、きちんとやる!」

中1の時に生徒としてグスタフ・フォス校長から聞いた言葉は、たいへん厳しい言葉として、私の生涯のテーマとなりました。「今、自分がやるべきこととは?」という問いかけを自分自身に課していく栄光学園での生活は、骨が折れる日々であり、決して楽ではありません。答えが見いだせず、道に迷い苦しむことも多々あったし、道が見えても怠けてしまうこともありました。

疲れたら「休む」ことも大切だし「遊ぶ」ことも大切な人生のタスクです。しかし同様に、私たちは自分を磨き鍛える「行(修行・訓練)」なくしては、己の天分を十二分に生かすことができません。面白いことに、本当に自分が為したいことを見いだした人は、そのために取り組む「行」をたのしく感じるようになっていきます。

私はマラソンを走ったことがありませんが、42.195㎞を走りたいと志した人にとって、その距離を走り切るためのトレーニングは、苦しさの中にもたのしさを覚えるのだと思います。頑張って走り切ったときには言葉では言い表せない喜びを感じることでしょう。

そしてまた、共に生きる誰かのために行動し、共に感じる喜びほど、大きな喜びはありません。“Men for others, with others” は、その大きな喜びと共に在る言葉です。学園に集う者が、己の天分を十二分に発揮して、人々と共に生き生きと生きることを栄光学園は願い続けてきました。それこそ「神の大いなる栄光」なのですから。

栄光学園に集う生徒諸君は優れて個性豊かです。彼らが直面する大きな課題の一つは、これから取り組もうとしている「行」が本当の自分に課された「行」であるかどうかを見分けることであり、そのための「叡智sophia 」を見出すことにあります。

栄光学園は、一人ひとりの生徒が神からの照らしという恵みを受けて、それぞれの歩むべき道を見出し、仲間と共に己の「行」に励む六年間を過ごせるように、全力でサポートします。

AMDG

校長 柳下 修